Amazon VPC LatticeとAWS PrivateLinkのコスト比較

Amazon VPC LatticeとAWS PrivateLinkのコスト比較

Clock Icon2023.08.14

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こんにちは。AWS事業本部の木村です。

VPC間通信で似たような利用が想定されるAmazon VPC LatticeとAWS PrivateLinkを比較している中でコストはどちらが安いのか気になったのでまとめてみました。

結論から申しますと、固定費ではLatticeの方が安く、データ処理料金による変動費はPrivateLinkの方が安いという結果でした。

ですのでデータ処理が少ない場合にはLattice、多い場合にはPrivateLinkにコストメリットがありそうです。

今回この記事ではコストに焦点を絞ってお話しを進めていきます。

ですので概要や利用方法は以下記事をご参照ください。

Lattice

サービス比較

LatticeとPrivateLinkに加えVPC PeeringとTransit Gatewayを追加して解説している分かりやすい登壇記事がありますので、コスト面以外の比較箇所については以下の記事をご参照ください。

コスト算出にあたって

今回比較するLatticeとPrivateLinkでは、構築していると利用されなくても料金の発生する固定費部分とデータ処理の分だけ発生する変動費があります。

費用に関しては全て東京リージョンの価格で、1ヶ月(31日)の費用を算出しています。

今回はそれぞれ算出して、合計コストを計算していきます。

NLBを利用した以下の構成のコストを算出します。

ここではインスタンスなどの費用は考慮しません。

固定費

まず固定費を計算します。

上記のような構成ですと、固定費が発生するのは赤枠で囲ってあるVPCエンドポイントとNLBになります。

VPCエンドポイントの料金は0.014USD/hになります。

1ヶ月分にすると0.014USD×744h=10.416USDです。

NLBの料金は0.0243USD/hになります。

1ヶ月分にすると0.0243USD×744h=18.0792USDです。

合計すると約28.5USDになります。

ここまでが利用する上で最低限発生する費用です。

変動費

続いて、データ処理料金による変動費です。

今回は月間のデータ処理量を100GB、秒間のアクセスを50回と仮定します。

VPCエンドポイントの通信料金は1PB以下の場合は0.01USD/GBですので、1USDになります。

NLBのデータ処理料金は計算が少しややこしいので内訳は割愛しますが、LCUの料金として0.6USD発生します。

今回の条件ですと通信費の合計は1.6USDになります。

合計

全て合算すると約30.1USDとなります。

執筆当時のレートが145円でしたので、月間4365円ほど料金がかかることがわかりました。

Latticeのコスト計算

続いてLatticeにかかるコストをまとめていきます。今回は以下の構成のコストを計算します。

ここでもインスタンスの費用は考慮しません。

固定費

まず固定費を計算します。

上記のような構成ですと、赤枠で囲ってあるLatticeサービスに固定費が発生します。

Latticeサービスの料金は0.0325USD/hになります。

1ヶ月分にすると0.0325USD×744h=24.18USDです。

ここまでが利用する上で最低限発生する費用です。

変動費

続いて、データ処理料金による変動費です。

こちらも同様に月間のデータ処理を100GB、秒間のアクセスを50回と仮定します。

Latticeのデータ処理料金は0.0325USD/1GBですので、3.25USDになります。

アクセス回数による料金は1時間あたり30万回までは無料ですので、今回の条件では0USDになります。

今回の条件ですと通信費は3.25USDになります。

合計

全て合算しますと約27.4USDとなります。

執筆当時のレートが145円でしたので、月間3973円ほど料金がかかることがわかりました。

まとめ

固定費もLatticeの方が高いような印象を持っていたのですが、比較してみると大きな差は見られずむしろLatticeの方が安かったです。

ただデータ処理料金はLatticeの方が倍程度かかりますので、データ処理量が大きくなってくるとPrivateLinkの方がコストメリットがありそうです。

今回の条件で単純に掛け算していくと月間約300GBを超えるデータ処理量で、Latticeの利用料金がPrivateLinkを逆転する計算になりました。

この記事がどちらを利用するかの検討の参考になれば幸いです。

以上、AWS事業本部の木村でした。

参考

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